年末調整の電子化にあたって

こんにちは。
そろそろ年末調整の季節ですね。今年は改正が多く、早めに準備を進めておきたいところです。
国税庁から年末調整書類の電子化ソフト(年末調整ソフト)が発表されました。
実際に使ってみて、思うところを書いてみます。

1.結論

結論から書きます。今年から電子化を検討しているなら、次のいずれかをお勧めします。
・今まで通り、紙でおこなう
・電子化するなら市販ソフトを使う
 オススメは「奉行edge 年末調整クラウド」です。

2.国税庁の年末調整ソフト

ソフトは良くできているな、と感じました。
ただしフローに乗せるのが難しいです。

この年末調整ソフトを使う方は、今年から初めて電子化を行うと想定して記述します。目線は会社側の年末調整担当者です。

 ①従業員編

   イ.PCへの導入
     Microsoft StoreやGoogle Storeへのアップが間に合わなかったそうで、
     開発者モードでのインストールを行います。
     説明書通りにやればできます。PCが不得手な方も頑張ればできます。

   ロ.スマホでの導入
     スマホアプリはApple、Androidとも配信されています。そうすると、PCを持ってない方や苦手な方、若い方など
     全体的にスマホでの入力が多くなるのではないでしょうか。
     実際に操作してみると、入力箇所がとても多く感じます。
     会社のデータベースから転記して配布は出来ない仕様です。
    
   ハ. 打ち間違いの対応
     スマホはあまり文字入力に向いていないデバイスなので、扶養親族の氏名等の打ち間違いが出る気がしています。
     給与計算ソフトは従業員データベースと兼用になっていることが多く、
     このまま取り込むと上書きされてしまい、例えば社保手続きで発覚する、などはありそうです。

   二.控除証明書の電子添付
     マイナンバーカードを持っていて、マイナポイントを申請した人数は9月末で400万人程度です。
    雇用者数は約6000万人ですから、6.6%ほどでしょうか。
    このマイナポイント申請よりさらにリテラシーが必要な操作なので、あまり考えなくて良いかと思います。
     

 ②会社編

   イ.年末調整の電子化の承認申請書
     承認の要件に、「電子計算機への表示及び書面への出力をするための措置」があります。
     年末調整ソフトで出力されるデータは「XML」形式です。
     これを読み込んで表示・印刷するものは国税庁からは出さないそうですが、
    XMLデータおよび一緒に出力される帳票を保存することで要件を満たすことができます。
    ある意味税理士に丸投げでも対応できるようです。

   ロ.7年保存
     XMLデータが紙の扶養控除等申告書等に相当します。7年保存します。

   ハ.チェック方法
    これが本当に悩ましいです。従業員の方がメール添付で送ってくるのですが、どうチェックして管理するか。
    特にスマホ版は、入力終了と同時にメールソフトが起動し送られるため、普段会社で使用しているメールと
    違い署名がなかったりします。

     XMLは申告書の種類ごとに4つくらい出力されます。
    ・誰が提出したか、していないかの管理
    ・別で提出された紙の控除証明との突合→不足や間違いがある場合には再提出をしてもらう
    ・再送信されたデータはどこを直したのか一見分からない→取り込んで突合して確認する

     数人なら良いのですが、数人なら紙でも変わらないです。
     数百人になると、うーん。。ちょっと考えたくないです。  
    出力データは社員番号などが自動で振られます。
     提出していない人を、社員番号を頼りにどう数百人分のフォルダの中から探しましょうか。考えどころです。
             

 このあたりが上手くクリアできるなら、今年から導入は検討できます。
 全体の印象としては、紙が電子に置き換わりましたがフローの改善はされていませんので、
 人数が増えるほど初年度は相当苦労するだろうなと思います。

 個人的には従業員→会社の一方通行で設計してあるのが致命的でした。
 電子化の推進は賛成ですので、来年度のバージョンアップを期待したいところです。
 

3.奉行edge 年末調整クラウド

 かなり使えます。上記の問題点は全てクリアしていると言ってもいいです。
 一番のポイントが、年末調整だけに機能を絞っていて、お求めやすいことです。
年間利用料15,000円(30名まで)

 https://www.obc.co.jp/bugyo-edge/adjustment

 クラウドソフトは一気通貫が前提になっており、「ここだけ」は導入できないものが多い中、
弥生給与や他のソフトを使っている会社にも対応できるのでオススメです。

 直販はしておらず、代理店からの販売となるそうですが、興味があれば
担当者のご紹介は出来ると思います。

以上、ご参考になれば幸いです。
年末調整がんばりましょう。